胃経の経穴、地倉(口角の歪み、流涎(よだれ)、顔面神経麻痺、歯痛のツボ)

胃経の経穴、地倉(口角の歪み、流涎(よだれ)、顔面神経麻痺、歯痛のツボ)

顔の不調と地倉(ちそう)という経穴

 

みなさん、こんにちは。鍼灸院丹天堂の丹天です。

季節の変わり目や、ちょっとした疲労が溜まったとき、鏡を見て「あれ?」と感じる顔の不調はありませんか?例えば、食事中に口元からよだれが垂れてしまったり、笑ったときに左右の口角の歪みが気になったり。ひどいときには、顔面神経麻痺のようなお悩みや、慢性的な歯痛に悩まされる方もいらっしゃいます。

東洋医学、そして鍼灸の世界では、このような顔周りの不調に深く関わるツボ経穴)があります。それが、今回ご紹介する胃経に属する**地倉(ちそう)**という経穴です。

地倉は、口角の外側、ほんの少しのくぼみに位置する経穴で、文字通り「地の蔵」と書きます。「蔵」とは、穀物や宝物を収める場所のこと。顔の中心である口元は、飲食物を取り込む消化器系の入り口であり、**生命を養うエネルギーの倉庫(蔵)**の入り口とも考えられます。顔面部の栄養を整え、口元の働きを支える、とても大切な場所なんです。

この地倉をはじめとする胃経経穴整えることは、見た目のお悩みだけでなく、体全体の健やかさにも繋がります。それでは、この地倉というツボが、私たちの心身の健やかさにどのように関わるのか、鍼灸師の視点から、少し掘り下げてお話ししていきましょう。


 

胃経地倉:なぜ顔のツボと繋がるのか

 

東洋医学では、私たちの体は単なる部品の寄せ集めではなく、すべてが繋がり、影響し合っていると考えます。この繋がりをネットワークのように全身に張り巡らせているのが「経絡」です。地倉が属する胃経は、読んで字のごとく、の働きと深く関わる経絡ですが、その走行は足から始まり、腹部、胸部を経て、顔面へと上がってきます。地倉は、この胃経の終点に近い部分にあるツボの一つです。

胃は、飲食物を消化し、栄養(気血)を作り出す、体にとって最も重要な臓腑の一つです。胃の働きが滞ると、全身への気血の巡りが悪くなり、その影響は経絡を介して顔にまで現れることがあります。顔色はの状態を映す鏡とも言えるでしょう。

特に地倉は、顔面の中でもの周り、つまり「食べ物を蔵に入れる入り口」を司るツボです。

  • 口角のコントロール

  • 顔面部の気血の流れ

  • の周り(歯茎)の炎症

これらは胃経不調と密接に関係しており、がこもったり、の流れが滞ったりすると、口角の歪み流涎(よだれ)歯痛といったお悩みとして表面に現れやすくなります。顔面神経麻痺も、その経絡のルート上での気血の滞りが深く関わると東洋医学では見立てます。


 

脈診流経絡鍼灸で経穴整えるます。

 

では、鍼灸院丹天堂で行っている脈診流経絡鍼灸が、なぜこの地倉を含む経穴整えるのに有用性があるのでしょうか。

脈診流経絡鍼灸は、その名の通り、単に症状が出ているツボに鍼を打つという、その場しのぎのケアではありません。まずは手首の脈をていねいに拝見する脈診と、お腹や手足のツボ経穴)を触って確認する腹診切経によって、そのクライアント様一人ひとり体質の根本的なバランスの偏り見立てます。

例えば、口角の歪みがある方でも、がこもっている方もいれば、が不足している方もいます。この根本原因を見極めずに、地倉にだけ働きかけても、一時的な変化で終わってしまうことが多いのです。

脈診流経絡鍼灸働きかけは、全身の経絡バランス整えることを重視します。

  1. 根本原因への働きかけ: 脈診などで見立て体質の偏り(例えばの不足など)を整えるために、まず手足にある重要なツボ原穴募穴など)に働きかけます。これにより、全身の気血の流れを根本から改善し、自ら整える力が働きやすい土台を作ります。

  2. 局所へのアプローチ: 全身のバランス整ってから、地倉などの局所のツボ働きかけを行います。この段階で地倉アプローチすることで、経絡を通じて改善された気血がスムーズに顔面部に流れ込み、口角の歪み顔面神経麻痺といったお悩みに、より深く、効果的に作用するのです。

この全身と局所の両面から整える方法こそが、地倉を、そしてクライアント様お悩みを、より健やかな状態へと導く脈診流経絡鍼灸有用性だと考えています。

脈診流経絡鍼灸は、東洋医学知識を基に、経穴のもつ力を最大限に引き出し、クライアント様本来、備わっている力を呼び覚ますお手伝いをする施術方法なのです。


 

鍼灸院丹天堂では、どいして経穴を大切にするのでしょうか?

 

鍼灸院丹天堂では、経穴を単なる「ツボ」とは考えていません。経穴とは、東洋医学知識が凝縮された、体の声を聞くための窓口であり、体内の調整スイッチだと考えています。

私たちは、クライアント様とのカウンセリング、そして脈診切経を通じて、地倉一つをとっても、その奥にある胃経の状態、ひいては体全体のバランスがどうなっているのかを見立てます。その見立てに基づいて、適切な経穴を選び、ていねいに働きかけることで、体全体のネットワークをスムーズにし、本来の状態へ整えることを哲学としています。

地倉不調は、全身の不調の一部であり、全身のバランス整えることこそが、地倉お悩みを解決する一番の近道だと信じています。


 

これからの経穴についても、お話していきます。

 

今回、胃経地倉という経穴をご紹介しましたが、東洋医学には、他にもたくさんの経穴があり、それぞれが固有の役割と物語をもっています。

今後、鍼灸院丹天堂のでは、すべての経穴について一つひとつ詳しく解説していきます。体の不思議な繋がり、東洋医学の奥深さ、そしてそれらがあなたの健やかさにどう作用するのかを、わかりやすくお伝えしていく予定です。ぜひ、ご期待ください。


 

鍼灸院丹天堂は東洋医学専門の鍼灸院です。

 

口角の歪み流涎(よだれ)顔面神経麻痺、そして歯痛。これらは日常生活に影響を及ぼす、つらいお悩みです。

もし、あなた自身やあなたの大切な人が、このようなお悩みを抱えているなら、胃経地倉、そして全身のバランスから整える****脈診流経絡鍼灸というアプローチを、ぜひ一度ご検討ください。

鍼灸院丹天堂は、東洋医学知識脈診流経絡鍼灸技術をもって、あなたの本来、備わっている力を引き出し、より健やかな状態へと進むためのお手伝いをさせていただきます。

町田鍼灸院をお探しの方、玉川学園周辺で東洋医学に基づくケアを希望されるクライアント様は、どうぞお気軽に鍼灸院丹天堂までお越しください。カウンセリングを通して、あなたに最適なケアをご提案させていただきます。

鍼灸院丹天堂 丹天

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