胃経の経穴、気舎、喘息、咳嗽、甲状腺腫、頸部のこりのツボ

胃経の経穴、気舎、喘息、咳嗽、甲状腺腫、頸部のこりのツボ

こんにちは!町田玉川学園鍼灸院 丹天堂の鍼灸師、丹天です。

今回は、東洋医学で非常に重要な役割を果たす経穴(けいけつ)、いわゆる「ツボ」の中から、胃経に属する**「気舎(きしゃ)」**というツボにスポットを当てて、皆さんの心身の健康とどのように関わっているのかを、お話ししていきます。

 

気舎(きしゃ)とはどんなツボ?
名前に込められた意味はなんでしょうか?

 

「気舎」は、首の前側、鎖骨の上縁のくぼんだところにあるツボです。

この**「気舎」**という名前、皆さんにはどのように響きますか?東洋医学において、経穴の名称にはそのツボの持つ働きや位置が深く関わっています。

「気」は、生命活動のエネルギーや呼吸に関わる「気」を指します。「舎」は「やど」や「集まる場所」という意味。つまり、「気舎」は**「気が集まり、出入りする場所」**という意味合いを持っています。

特に、このツボは胃経という、消化器系を中心とした経路に属していますが、その位置が首元、つまり、呼吸器甲状腺といった重要な器官に近い場所にあることから、「気」の通り道として非常に重要な役割を担っていると考えることができます。

現代生活では、ストレスや不規則な生活、姿勢の悪さなどから、この首や胸周りの「気」の流れが滞りがちです。気舎の場所が示す通り、このツボが整うことで、ただ胃腸の働きが整うだけでなく、呼吸首・肩のこり、そして「気」の滞りからくる様々なお悩みに対して働きかけることができるのです。


 

鍼灸院丹天堂は経穴を大切にする鍼灸院です。

 

私たちがなぜ、一つひとつの経穴をこれほど重要視するのか。それは、経穴が心身の状態を映し出す鏡であり、本来、備わっている力を呼び覚ますスイッチだと考えているからです。

 

全体をみて、根本に働きかける

 

東洋医学では、人の体は「気(エネルギー)」「血(栄養)」「水(体液)」がバランスを取りながら巡っていると考えます。どこか一部に不調があっても、それは体全体のバランスの乱れが表面化したもの、という見方をします。

例えば、「喘息」や「咳嗽(がいそう・せき)」といった呼吸器のお悩み、「甲状腺腫」といった首周りの不調、「頸部のこり」といったお悩みで、鍼灸院丹天堂にお越しいただくクライアント様がいらっしゃるとしましょう。

多くの方が、不調がある局所にばかり意識が向いてしまいますが、私たちがまず大切にするのは、脈診流経絡鍼灸というアプローチで、クライアント様お一人おひとりの全身の「気・血・水」の巡りを丁寧に感じ取り、その根本的な乱れを見立てることです。

 

どうして、脈診流経絡鍼灸を選んだのか

 

経穴を整えるために、脈診流経絡鍼灸が特に有用性があるのは、「局所のツボ」だけを刺激するのではないからです。

一般的なツボへのアプローチは、不調のある部位に近いツボに働きかける対症的なアプローチになりがちですが、脈診流経絡鍼灸は、手首のの状態を細やかに観察することで、全身の経絡(エネルギーライン)のどこに、どのような滞りや虚弱があるのかを精密に見立てます。

そして、「気舎」のように、直接、不調の部位とは離れているけれども、根本的なバランスの乱れを整えるのに最も効果的なツボを選び、ごく浅く、優しく鍼を働きかけます。

気舎は、首元の「気」の出入り口であり、呼吸器系のお悩みにアプローチするのに非常に重要なツボですが、ただ「喘息だから」という理由だけでこのツボを使うのではありません。

  • 脈を診て、の経絡に滞りがあるのか。

  • あるいは、の経絡の過緊張が、結果として首元の「気」を詰まらせているのか。

  • それとも、の経絡の働きが弱り、痰や湿が絡んでいるのか。

この見立てこそが、本来、備わっている力を最大限に引き出し、一時的な「その場しのぎのケア」ではなく、より健やかな状態へ整えるためのお手伝いとなるのです。全身のバランスを整えることで、気舎を含む胃経の働きも整い、首元の緊張が緩み、呼吸が深くなり、体全体の調和が生まれます。

 

気舎の働きかけ

 

「気舎」が関わるお悩み、例えば、喘息咳嗽といった呼吸のお悩み、甲状腺腫など首周りの不調、そして頸部のこりは、まさにこの「気」の流れが滞ることで起こりやすいものです。

私たちが「気舎」にアプローチすることで目指すのは、首元、胸元の緊張を解放し、「気」の通り道をスムーズにすること

そうすることで、

  1. 呼吸が深くなり、胸郭の動きがスムーズに。

  2. 首や肩周りの余計な緊張が解放され、頸部のこりが楽に。

  3. 東洋医学でいう「気」の滞り、**「気鬱」**といったお悩みにも働きかけ、心身の巡りを整えるお手伝いをします。

経穴へのアプローチは、体全体のオーケストラを調和させる指揮棒のようなもの。どのツボに、どのような強さで働きかけるか。この繊細な知識と技術こそが、鍼灸院丹天堂のケアの根幹をなしています。


今回は胃経気舎に焦点を当ててお話ししましたが、人間の体には三百数十もの経穴があり、それぞれが固有の深い意味と働きを持っています。

今後、すべての経穴について一つひとつ詳しく解説していきますので、ご自身の心身についてもっと深く、そして多角的に知るきっかけにしていただけたら嬉しいです。


より健やかな心身へ、鍼灸院丹天堂で目指していただきたいです

 

ご自身の不調お悩みに対して、「どうしてだろう?」と疑問を持つことは、より健やかな状態へ向かう第一歩です。

町田玉川学園鍼灸院 丹天堂では、今回お話しした気舎だけでなく、クライアント様お一人おひとりの、そして体全体のバランスを丁寧に見立て、最も適切な経穴へのアプローチを行います。

もし、喘息、長引く咳嗽、甲状腺周辺の不調、慢性的な頸部のこりなど、首周りの「気」の滞りを感じていらっしゃるなら、ぜひ一度、当鍼灸院の脈診流経絡鍼灸によるケアをお試しください。

私たちが、あなたが持つ自ら整える力を引き出し、より健やかな状態へ整えるお手伝いをさせていただきます。

心より、あなた様のお越しをお待ちしております。

◎経絡やツボの考え方について、さらに詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
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