胃経の経穴、缺盆(喘息、咳嗽、甲状腺腫、頸部のこりのツボ)

胃経の経穴、缺盆(喘息、咳嗽、甲状腺腫、頸部のこりのツボ)

胃経の経穴、缺盆はどんなツボ?

 

こんにちは。町田玉川学園鍼灸院 丹天堂の鍼灸師、丹天です。

今回は、東洋医学で非常に大切にされている「経穴(けいけつ)」、いわゆる「ツボ」の一つにスポットを当ててお話しさせていただきます。そのツボとは、胃経に属する「缺盆(けつぼん)」です。

 

🧐 缺盆はどこにある?

 

缺盆という経穴は、鎖骨の上のくぼんだ部分、ちょうど鎖骨と首の付け根の間あたりに位置しています。ご自分の指で触れてみると、鎖骨の真ん中あたりに、少しへこんだ場所があるのが分かるかと思います。ここが、東洋医学において非常に重要な役割を持つ経穴なのです。

 

💡 名前に込められた意味

 

缺盆」という名前には、文字通り「盆(皿)が欠けたような場所」という意味合いが込められています。「盆」とは、この場合、鎖骨の上にあるくぼみを指しており、ちょうど水や気がたまるような、窪んだ場所であることを示しています。

東洋医学では、この場所が胃の経絡(エネルギーの通り道)にありながら、呼吸器系や内分泌系とも深く関わるとされています。


 

🗣️ 鍼灸師 丹天が語る:缺盆が心身の健康にどう関わるか

 

「缺盆が、私たち心身の健康にどのように関わってくるのでしょうか?」

このようなご質問をよくいただきます。東洋医学の観点から、このツボの持つ奥深い働きかけについて、少し会話調でお話ししましょう。

 

🌬️ 呼吸器の不調へのアプローチ

 

缺盆が胃の経絡にあるにも関わらず、東洋医学では呼吸器系のお悩み、例えば**喘息(ぜんそく)咳嗽(がいそう・せき)**のケアによく用いられます。

「なぜ胃の経穴が呼吸と関係するのですか?」

それは、東洋医学が身体を一つの有機的なつながりとして捉えているからです。この缺盆の場所は、気の流れの要所であり、特に肺の気、つまり呼吸に関するエネルギーの流れにも強く影響を与えていると考えられています。

現代でも、この鎖骨の上にあるくぼみは、リンパや血管、神経などが集まる重要な交通路であることが知られていますね。この場所を整えることで、滞りがちな呼吸の通りを良くするお手伝いができると、私たちは考えているのです。

 

🎈 頸部のお悩み、甲状腺腫との関わり

 

また、缺盆は頸部のこりや**甲状腺腫(甲状腺の腫れ)**といった、首周りの不調に対しても大切な働きかけをします。

首のこりや張りは、自律神経の乱れ気の滞りが原因となっていることが少なくありません。缺盆に適切なアプローチをすることで、首や肩、さらには頭部へと向かう気の流れをスムーズにし、過度な緊張を緩めるお手伝いをします。

特に、甲状腺のような内分泌系のお悩みは、東洋医学でいう「気・血・水」のバランスの乱れと深く関連しています。缺盆の経穴は、このデリケートなバランスを整え、本来、備わっている力を引き出すための重要な窓口となるのです。

「首の奥深くにある内分泌器官に、外からどう作用するのですか?」

私たちは、ツボへのアプローチを通じて、身体全体のエネルギーライン(経絡)を調整することで、結果として特定の器官の働きをより健やかな状態へと導くことができると考えています。


 

鍼灸院丹天堂の哲学:脈診流経絡鍼灸が有用性を持つ理由

 

鍼灸院丹天堂では、「脈診流経絡鍼灸」という独自のスタイルで、この缺盆をはじめとする経穴に働きかけます。

 

💖 症状ではなく、クライアントさんの全体を整える

 

私たちの哲学は、不調が出ている場所だけを診るのではなく、**クライアント様一人ひとりの「全体」**を丁寧に拝見することにあります。

  • 脈診(みゃくしん):手首の脈を拝見することで、全身の気・血・水のバランスや、どの経絡に乱れがあるのかを「見立て」ます。

  • 経絡:その見立てに基づき、根本的な原因となっているエネルギーラインを特定し、その乱れを整えるようアプローチします。

 

🌟 なぜ脈診流経絡鍼灸が有用なのか?

 

「缺盆の経穴を整えるのに、なぜ脈診流経絡鍼灸が有用性を持つのでしょうか?」

それは、対症療法(その場しのぎのケア)に終わらず、根本から身体を整えることを目指しているからです。

  1. 根本原因への働きかけ:喘息や頸部のこりといったお悩み(症状)は、実は胃経だけでなく、他の経絡のエネルギー不足や過剰が影響している場合が多くあります。脈診流経絡鍼灸は、この連動している根本原因を見つけ出し、そこに適切なツボを用いて働きかけます。

  2. 身体に負担をかけない:私たちの施術は、非常に細い鍼を使い、最小限の刺激で経絡を整えます。特に、デリケートな缺盆のような部位へのアプローチも、ご本人の自ら整える力を優しく引き出すことに焦点を当てています。

  3. 経穴の力を最大限に:缺盆という経穴が持つ本来の作用を、クライアント様の体質に合わせて最大限に引き出すため、ツボの選択と刺激量を脈の状態で常に確認しながら行います。

例えば、缺盆が属する胃経のエネルギーが過剰になっている場合、胃経上のツボ(缺盆)に強い刺激を与えると、かえって不調を悪化させる可能性があります。しかし、脈診で胃経のバランスを細かく確認することで、「胃経のエネルギーを補うべきか、それとも不要な熱を取り去るべきか」を正確に見極め、缺盆のツボが持つ作用を効果的に発揮させることができるのです。

このオーダーメイドの働きかけこそが、脈診流経絡鍼灸が、缺盆をはじめとする経穴の働きを整える上で、非常に有用性を持つ理由だと考えています。


 

他の経穴についてもお話しています。

 

さて、今回は胃経の経穴の一つ、缺盆に焦点を当ててお話ししました。東洋医学の身体の知識のほんの一端ですが、お楽しみいただけましたでしょうか?

今後、鍼灸院丹天堂では、すべての経穴について一つひとつ詳しく解説していく予定です。それぞれのツボが持つ意味合いや、それが心身の健康にどう関わるか。私たちの施術がどのように働きかけるのかを、引き続きお伝えしてまいります。どうぞご期待ください。


 

健やかな毎日を送るために、丹天堂から

 

町田玉川学園鍼灸院 丹天堂は、あなたの不調お悩みに対し、東洋医学の知識と技術をもって、より健やかな状態へのお手伝いをさせていただきます。

もし、喘息長引く咳嗽頸部のこりなど、今回ご紹介した缺盆と関わるかもしれない不調でお悩みがございましたら、どうぞお気軽にカウンセリングにお越しください。

脈を拝見し、あなただけの体質根本的なエネルギーの乱れを「見立て」た上で、缺盆をはじめとする経穴を優しく整える施術を行います。

あなたの本来、備わっている力を引き出し、毎日を軽やかに、笑顔でお過ごしいただけるよう、心を込めてケアさせていただきます。

町田玉川学園で、皆様のお越しを心よりお待ちしております。

町田玉川学園鍼灸院 丹天堂
鍼灸師 丹天