胃経の経穴、下関、歯痛、顎関節症、三叉神経痛、耳鳴り、難聴のツボ)
胃経の経穴、下関、歯痛、顎関節症、三叉神経痛、耳鳴り、難聴のツボ)
胃経の経穴「下関」とは？
こんにちは。町田玉川学園鍼灸院 丹天堂の鍼灸師、丹天です。
このページでは、東洋医学の知識にある、経穴（ツボ）の中から、特に顔面部に位置する重要なツボの一つである「下関（げかん）」について、会話調で深く掘り下げてまいります。
私たちの身体には、生命エネルギーである「気」が流れる通り道、経絡（けいらく）が全身に張り巡らされています。下関は、その中でも最も重要な経絡の一つである胃経に属しています。
下関は、歯痛、顎関節症の不調、顔面の三叉神経痛、さらには耳鳴りや難聴といった、一見するとそれぞれ異なるお悩みにアプローチできる、非常に多岐にわたる働きかけが期待できる経穴です。
なぜ、一つの経穴がこれほどまで多岐にわたる不調と関連するのか。それは、東洋医学が「部分」だけでなく「全体」を見るからです。下関という一点を通して、顔面、そして胃経全体、さらには心身の健康状態がどのように繋がっているのかを、私の鍼灸院丹天堂での視点から解説していきます。
【下関の名称に含まれる意味合いと働きかけ】
下関は、耳の前、頬骨弓（きょうこつきゅう）の下側、ちょうど口を開けたときにくぼむ場所にあります。ご自身で触れてみると、硬い骨の下に位置していることがわかります。
この経穴の名前、「下関」には、どのような意味合いが込められているのでしょうか。
**「下」は、そのまま「下側」や「下顎」を示し、顔面の中でも口や顎の運動に関わる領域であることを示唆しています。 そして「関」**は「関所」や「要所」を意味します。
つまり下関は、顔面の中でも特に重要な「関所」であり、胃経の「気」が顔面の中心部へと出入りする、あるいは流れが切り替わる「要所」なのです。文字通り、顔面の不調に対する門番のような役割を担っている、とイメージしてください。
現代的な言葉で言えば、この場所は顎を動かす筋肉（咀嚼筋）や顔面の神経が密集するポイントに近く、このツボを「整える」ことは、これらの部位の緊張や、気血の巡りの不調を穏やかに変えていく働きかけとなります。
例えば、歯痛（虫歯など器質的な問題がない場合）や、顎の開閉がスムーズでない顎関節症のお悩みをお持ちのクライアント様は、この下関のあたりに張りや圧痛を感じることが多いです。また、顔面の感覚を司る三叉神経痛の方にとっても、下関は刺激を加えることで胃経を巡る「気」の流れを調整し、より健やかな状態へとお手伝いする大切な場所となります。
さらに、胃経は耳の近くも通っているため、耳鳴りや難聴といった耳のお悩みに対しても、この経穴を整えることが間接的に作用すると考えられています。
【下関と胃経、心身の関連性】
では、下関が属する胃経とは、東洋医学においてどのような役割を持つのでしょうか？
胃経は、文字通り「胃」の腑と関連していますが、その経絡の流れは、顔面（下関を含む）から鎖骨、胸部、腹部を通り、大腿、下腿を経て、足の第二指まで続く、非常に長く、全身の気血を養う上で最も重要な経絡の一つです。
東洋医学では、「胃」は「飲食物を受け入れ、消化し、全身のエネルギー（気血）を生み出す源」と考えられています。そのため、胃経の経穴が「整っている」ということは、全身のエネルギー代謝がスムーズで、心身ともに充実した状態であることを示します。
逆に、胃経に乱れが生じると、その影響は経絡の流れる道筋、つまり顔面（下関が関わるエリア）や腹部、足など、広範囲に現れます。
例えば、ストレスや不規則な食生活が続くと、胃腸の働きが乱れ、胃経にも不調が生じます。この胃経の不調が、顔面の緊張や炎症、あるいは熱となって下関周辺に集まり、歯痛や顎関節症の不調といったお悩みとして現れる、という見立てを東洋医学では行います。顔面のお悩みが、実は全身のエネルギー不足や消化器系の乱れから来ている、というケースは少なくありません。
下関へのアプローチは、単に顔の不調にその場しのぎのケアをするのではなく、胃経全体のバランスを「整える」ことで、本来、備わっている力を引き出し、より健やかな状態へとお手伝いすることに繋がるのです。
【脈診流経絡鍼灸を使って経穴を整えていきます
鍼灸院丹天堂は、この経穴を「整える」ために、脈診流経絡鍼灸という施術を用いています。なぜ、このアプローチが下関が関わる不調に有用性があるのかを解説させてください。
東洋医学において、経穴は、全身の気・血・水の過不足や滞りを映し出す「窓」のようなものです。しかし、下関が痛いからといって、下関だけに鍼をすれば全て解決するわけではありません。
脈診流経絡鍼灸の根幹にあるのは、「脈診（みゃくしん）」です。 手首の脈を拝見することで、全身を巡る十二経絡のどこに、根本的な乱れやエネルギーの過不足が生じているのかを「見立てる」ことができます。この「見立て」こそが、東洋医学の深い知識（叡智）に基づく鍼灸院丹天堂の重要なアプローチです。
下関が関わる歯痛や顎関節症のお悩みが、もし胃経の全体的なエネルギー不足や滞りから来ていると脈診で見立てられた場合、鍼灸院丹天堂では、問題のある下関の場所だけでなく、遠隔にある胃経のツボ（例えば、膝から下にある胃経の経穴）を選んで施術を行います。
これは、川の上流の流れを整えることで、下流にある淀み（下関周辺の不調）を解消する、というイメージに近いです。部分的なその場しのぎのケアに終わらず、経絡全体を調整し、「自ら整える力」を呼び覚ますことで、結果として下関が関わる顔面のお悩みを、根本からより健やかな状態へと「整える」お手伝いができるのです。
脈診流経絡鍼灸は、一人ひとりのクライアント様の身体の状態を深く把握し、その人に合ったオーダーメイドの施術を行うため、下関が関わる三叉神経痛、耳鳴り、難聴など、様々なお悩みに対して、的確な働きかけを可能にするのです。
鍼灸院丹天堂は他の経穴についても紹介しております。
鍼灸院丹天堂は、「個」の経穴を通して、クライアント様お一人おひとりの心身の「全体」を拝見することにあります。
経穴は、単なる点でなく、全身の経絡ネットワークの一部であり、心身の状態を映し出す「鏡」のようなものです。下関を整えるお手伝いをするということは、胃経を整え、ひいては全身のエネルギーバランスを「整える」ことに繋がります。
今回ご紹介した下関は、東洋医学における経穴の奥深さの一端に過ぎません。
今後、鍼灸院丹天堂では、全身の経穴について、一つひとつ詳しく解説していきます。それぞれのツボが持つ意味、関わる経絡、そしてそれがどのように私たちの健康に働きかけるのか、ご期待ください。
本来の状態へのお手伝いをするのが、鍼灸院丹天堂です。
歯痛、顎関節症の不調、三叉神経痛、あるいは耳鳴りや難聴といった、下関が関わる様々なお悩みを抱えるクライアント様。
これらの不調は、顔面だけの問題ではなく、胃経を通して全身のバランスが乱れているサインかもしれません。
町田玉川学園鍼灸院 丹天堂では、脈診流経絡鍼灸という、東洋医学の知識（叡智）に基づいた確かな施術をもって、あなたの身体が本来、備わっている力を最大限に引き出し、より健やかな状態へとお手伝いします。
下関の経穴が教えてくれる、全身の声を聴き、共に「整える」アプローチを始めませんか。
お気軽にお越しください。
鍼灸師 丹天
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